●スーパーモデルお勧めのマクロビオティック
 

世界に名立たるファッションブランドのスーパーモデルたちが、今健康と美容のために注目し、実践しているのが「マクロビオティック」です。生産者さんの顔を見て栽培してもらっている芦屋亭の蕎麦!自然食ブームの中で、それに劣らない欧米で話題になっている自然食なのですが、実は発祥の地は日本で、伝統食をベースにした自然食なのです。大阪正食協会の主催するセミナーを受講し、芦屋亭では取り入れました。

  ○日本生まれの食養生法
 

日本では「正食」と呼ばれる「マクロビオティック」(=フランス語。英語では「マクロバイオティックス」)という言葉は、3つの部分からなりたっています。MACRO(大きな)・BIO(生命の)・TIQUE(術)をつなげて、「生命を大きな観点から捕らえた健康法」という意味になります。
「マクロビオティック」を現在のように確立したのは、故桜沢如一氏(海外ではジョージ・オーサワとして知られている)です。桜沢氏は、日本に古くから伝わる食養生と、東洋思想のベースとなる「易」の原理を組み合わせて、「玄米菜食」という自然に則した食事法を確立し、世界に広めました。すべての健康な肉体と精神、病気は食べ物と環境からくるものであり、現代人の多くが病んでいるのは、食の過ちによるという考え方です。

  ○世界の著名人が注目する自然食
  桜沢氏の教えを受けた人たちが活動し、特にフランスやベルギーなどヨーロッパやアメリカで急速に広まっています。10年ほど前のブームでは、細い体型を維持しつつも持久力が必要となるバレリーナやダンサーが実践していることが話題になり、日本に逆輸入されたのでした。特に今「マクロビオティック」に注目しているのは、アメリカです。アメリカでは1977年に、従来の食生活が生活習慣病の増加をもたらしたとの反省から、動物性タンパク質や脂肪を減らし穀類や野菜を中心とした食事を目標としています。それを推進したのが、桜沢氏の教えを受けてアメリカでの普及に尽力した久司道夫氏で、クシ・マクロビオティックと呼ばれています。今ではスーパーモデルたちはもちろん、マドンナやトム・クルーズ、マイケル・ジャクソンなどのアーティストや、カーター元大統領やクリントン元大統領など各界著名人の他、約200万人が実践しているそうです。
  ○高級ホテルでもマクロビオティックがブームに
  豆腐やひじき、乾物などの日本の伝統食材は、見た目も味も地味になりがちなのですが、「マクロビオテイック」を学んだ料理人たちが、フレンチなどのテクニックを盛り込み、洗練された盛り付けや味わいで、ホテルやレストランで「マクロビオティック」メニューを提供するようにもなりました。例えば、高級ホテルチェーンであるリッツカールトンホテルでは、「マクロビオティック」のコース料理を1995年から導入しています。現在もカリフォルニアの他、大阪(2000年からオープン)で楽しむことができます。他の有名なホテルや個人経営のペンション、レストラン、ベーカリーなどでも、「マクロビオテイック」や「オーガニック料理」などを提供し始めています。
  ○マクロビオティックの食事って?
 

「マクロビオティック」の食事法をごく簡単にまとめてみました。

1.身土不二
自分が生きている土地でとれる旬の食物を食べることにより、その土地と季節にあった健康なカラダをつくる。

2.一物全体
食物は全体として調和し、不要なものはない。玄米、未精製の砂糖、塩、小麦粉、野菜の皮、アクなど、できる限り丸ごとの生命を大事にいただく。

3.穀物菜食
穀物と野菜を中心とした伝統的な食事。主食は穀物を5とすると、副食は野菜や海草が3〜4、魚介類が中心の動物性食品が1〜2が目安。

4.陰陽の調和
「陽」は収縮していく求心的なエネルギーでカラダを温める働き。「陰」は拡散してゆく遠心的なエネルギーで、カラダを冷やす働き。正食では、この陰陽の原理をもとに調理する。

5.正しい食べ方
食べ物の吸収・消化、食べ過ぎを防ぐために少なくとも30回は噛む。

  ○伝統食をお手本に
  「マクロビオティック」は、上のポイントをベースに、穀類や野菜、海藻を中心に、タンパク源は魚介類と大豆製品などをとり、飲み物はコーヒー、アルコールは避けて刺激の弱いお茶を飲み、食材や調味料は、有機農産物、天然醸造のものを使います。また食べ物を陰陽(カラダを冷やすものと温めるもの)で判断して、調和をとって食べるのが特徴的です。陰陽調理をのぞけば、「マクロビオティック」は日本の伝統食に似ています。アメリカや日本などの先進国が悩みとして抱える肥満や生活習慣病の原因は、動物性食品の食べ過ぎによるもの。だからこそ、動物性食品を控えた低カロリーな「マクロビオティック」が、健康&美容食として注目されているのでしょう。「マクロビオティック」は難しそうと思う人でも、伝統食をお手本にできることは多いと思います。